■
皇族の一人が妊娠した。
ニュースも各チャンネルともトップ扱い。
「男の子でも女の子でも元気なら」「本当におめでたいですね」
という善意の微笑みのオンパレード。
テレビを見ていて違和感を感じるのは私だけなんだろうか。
どうにも、これが号外を大量に印刷して街で配るようなニュースとも思えないし、建築偽装や官製談合や牛肉輸入問題をはるかに上回る重大性を持っているようにも思えない。
でも、アナウンサーもインタビュアーも、待ち行く人も、みんな心底喜んで、疑いが無いように見える。新しい生命が生まれるということは喜ばしいことであるが、ある特定の人が妊娠した、ということの社会的重大性というのは実は真の問題ではなく、実は、そこに隠された意図があるように思えて仕方ない。
ご臨終メディア ―質問しないマスコミと一人で考えない日本人 (集英社新書)
- 作者: 森達也,森巣博
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2005/10/14
- メディア: 新書
- クリック: 155回
- この商品を含むブログ (131件) を見る
軍産複合体の思惑とか、ネオコンの野望などの語彙だけでは説明できないと思いました。ブッシュは、イラクの民衆を本気で救っているつもりなんです。だから、これほどに理のない攻撃ができる。....
人を愛しなさいと説く教えを守りながら、ミサイルを撃ち、クラスター爆弾を投下する。この矛盾を埋めるのは、利益や保身だけではなく、やっぱり善意だと思います。
朝鮮半島の人々を救うという善意のために韓国を併合し、中国東北部の民衆のために満州国を起こす、こうした考え方は、社会全体がその方向を向きはじめ、それを普通の人々の善意がドライブする。なんだ、これって、日本が間違えた道を転がり落ちていった歴史と同じようなことを繰り返そうとしてるんじゃないの?
それが私が感じる違和感の正体のような気がする。