pinogrigio2005-08-21


岡山県新見市で開かれた「思誠舘創立250年記念 伊能大図フロア展」というのを見てきました。
伊能忠敬がおよそ200年前、16年かけて実地測量をした日本地図「伊能大図」の複製214枚が中国地方ではじめて公開されたもの。体育館に入るとわらじに履きかえさせられ、この地図の上を歩けるようになっています。
伊能忠敬というと、第二の人生で全くそれまでと異なる分野にチャレンジし、偉業を成し遂げた人であり、団塊の世代がどっと引退する、いわゆる2010年問題において、一種のスターとして今後も名前を聞く機会が増えそうです。

写真は、津軽半島の北端、三厩(みんまや)のあたりを巨人(私)が歩いているところ。井上ひさしの「四千万歩の男」

四千万歩の男(一) (講談社文庫)

四千万歩の男(一) (講談社文庫)

 のなかで、いざ目的地の蝦夷(北海道)へ渡ろうと津軽までたどり着いたところ、この三厩で10日も帆待ちで待たされてしまいます。ついつい小説を思い出しながら地名を探してうろうろ動きまわってしまいました。しかしまあ、江戸時代、50歳といえば、家督を譲って悠々自適、というのが長生きした人のフツーの過ごし方なのに、それから日本中、道なき道を踏み越えて子午線を図り、地図を作ってまわった伊能忠敬のパワーには、ただただ敬服するのみであります。