富士山はごみだらけ、というのは良く聞く話。
先日もテレビを見ていると野口健さんらが中心になって進めている富士山の清掃活動が紹介されてました。
ちょっとネットで探してみると、世界遺産にならない、という理由は、まさに日本の環境問題の典型のようです。

など富士山でなくてもどこにでもあてはまるような話です。

以前、ナポリ湾にうかぶカプリ島にあるスタジオに仕事で行ったことがあります。夢の島とも天国とも呼ばれる小さな島ですが、フェリーで島に着くと車はすべて駐車場に置いておかなければなりません。車の排気ガスと騒音で島の自然が破壊されたり雰囲気が台無しになるのを防いでいます。
ケーブルカーで頂上にのぼり、そこからゆっくり坂をくだりながら散歩をしていると、肺臓に染み渡るような空気の美味しさ、耳をなでるような小鳥たちのさえずり、、、時間がゆったり流れ、すべてが「この世の天国」に来たと思わせるような素晴らしさです(喧噪の街ナポリから移動してくるとなおさら)。

当時、この美しさ、自然の恵みは、ごく当たり前のこととして受け取っていましたが、富士山の現実を見ると、地元の人たちの長年にわたる大変な努力や政府の支援があってはじめて「天国」は維持されているのだ、とわかってきました。

我々だってやれないはずはない。でも、そのためには、ガソリンスタンドやお土産屋さんがもうからなくなったり、観光客の絶対数が減ったりすることを覚悟しなければならないでしょう。それがやれないなら、自然を見せることが、実は破壊し続けることなんだという現状を追認することにしかならないんですから。